10月 14, 2010 - 0 Comments - textiledesignnotes -

夏っぽい生地


 
夏の生地について

 

夏は本当に暑かった。暑さに弱い私は、いろんなやる気がそがれてしまう。

いつのまにか10月半ばになってしまいました。

涼しくなったところで、いまさらながらも夏っぽい生地について思ってみました。

多湿の日本では、汗をかいても、自然にはなかなか蒸発しません。そのため、
下着などで汗をすばやく吸収させ、発散させることにより快適さを保ったりします。
たとえば、スポーツ製品などに使用されるもの、
汗を吸収し、発散させ、気化熱により温度を下げるものが考えられます。
夏用インナーとして売っているやつもそうですね。

このインナー、一枚だけで着ていれば、汗をすばやく吸収して、蒸発させてくれるので、わりと快適になるのですが、
インナーという名の通りに、上に何か着た場合、吸収するのはいいのだけれど、
汗をたくさんかいたとき、汗の蒸発がさまたげられて、ビショビショの状態が続くことになります。
そうなると、涼しくならないどころか気持ちわるいのですよね。
まあ、上に着るものを選ぶかするか、
また、もっとうまく蒸発させてくれる商品にすれば大丈夫になるのかもですけど。

本来は、汗をかいて、下着が汗を吸収してくれたのならば、着替えるのが一番よいのだろうけれど。
なかなかそうもいきません。というか、シャワー浴びたい!ってなります。

日々、技術は進歩していますし、自分が知らないだけでもっとよいものがあはず。
快適なインナーが欲しい……
(山用というかアウトドアの製品をつくっているところのインナーに速乾性のものがありましたね。
一番下にぴったりと着て、その上に多少ゆとりあるものをきればいいのかな?)
 
ほかに、夏っぽい生地といえば、薄手のもの、体にふれる面積を少なくしたものなどが思いつきます。

体にふれる面積を少なくするためには、生地に<しぼ>をつくったりします。
<しぼ>とは、生地の表面にしわをつくったもののことをいいます。
<しぼ>をつくるためには、
織物の糸のより(ねじり)を強くして織る(シフォン等)
織物を糸のテンションを変えて織る(シアサッカー等)
薬品をつかってしわをつくる(リップル等)
などの方法があります。
こうして体にふれる部分が少なくなれば、服がまとわりつかなくなり、涼しさを得ることができます。

薄手にするためには、
細い糸をつかって、薄手の生地をつくる(ローン等)
生地の密度を少なくして薄手に仕上げる(ガーゼ等)
薬品をつかって、生地に薄い部分をつくる(オパール等)
などの方法があります。
こうして薄手にすれば、空気の通りがよくなって、涼しさを得ることができます。

どちらにせよ多湿の日本では、それほどの涼しさを得ることは出来ないかもしれませんが、
こういう生地は見た目も涼しげでいいですよね。
編み物などのことがあまり分からないので、織物ばかりになってしまいましたが

こうして生地を書きならべてみると、いろいろ思うところがでてきます。

テキスタイルに興味を持ち始めたときって、オパールの生地をみると、
どうなっているのだろうと魅かれたことがあります。
なんで透けている部分とそうでない部分があるのだろう?どうやってつくっているの?など。

あと、夏っぽい生地としては、浴衣にもよく使われる、生地の隙間の部分を多くする、からみ組織等などもあるのですが、
このからみ組織のからみ織りって、織物でありながら、たと糸とよこ糸が直角ではないんです。
たて糸どうしがまっすぐでなく、隣りにある糸とからみあった状態になって、隙間の部分がより多くでています。
オパールのときと同様に、テキスタイルに興味を持ち始めたときに、
織物の定義は、「糸をたて、よこ、ほぼ直角に組み合わせて平面状にしたもの」なのに、なぜだろう?って。
編み物やレースなどだと、この限りではないのですが、織物だからこそ不思議な感じがしたんですよね。
ほかにも、たて糸、よこ糸がまっすぐでない織物で着物などに使われる、
波筬、八割筬織物なんかもあるのですが、これもまた素敵ですね。

疑問や興味、好きだったことなど、なんか少し昔のことを思いだしました。

オーソドックスなものもいいですが、少し変わったものにも魅かれますよね。

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